ジジババミロンゲーロスとのお喋り
〜 9 de Julio 独立記念日・特別編 〜

今日は7月9日、アルゼンチン独立記念日。
1816年7月9日、リオ・デ・ラ・プラタ連合州(後に「アルゼンチン」へ改名)がスペインから独立を宣言。それを記念して7月9日が独立記念日に制定されました。
そんな、アルゼンチンにとって、とっても大切なこの日、とびきり素敵なミロンゲーラ達に独立記念日のご挨拶の電話をしてみました。

ミロンゲーラJ 

R : 独立記念日、おめでとう!

MLA-J:ありがとう、リカ!おめでとう!

R : 今日はあちこちでデモが凄いね

MLA-J:
ちょうどテレビでデモの様子を見てたんよ。若かったら、私も仲間入りしてるところやわ!!!

R : えー、そうなん?? もし参加するなら何を訴えたい?

MLA-J:
もちろん、アルゼンチンの自由よ! 
ペロン大統領がね、昔こんな事を言ったんよ。
『本は与えるな、アルパルガータ(キャンバス製の靴)ならいい!』ってね。国民の無知を利用して、選挙の票を集めるやり方なんよ。

R : なるほどねー。

MLA-J:
どんな種を適当に撒いても、それが大木になる、そんな豊かな土地なんよ、アルゼンチンは。そんなに資源豊かな国なのに、これだけ貧困層が多いのがおかしいんよ。昔から、この国の政治は腐ってる!!

R : ほー、なるほど。

MLA-J:それに、そろそろ、この『口輪』も外して欲しいわ。

R : 口輪? マスクのこと?

MLA-J:
政治家はコロナウィルスを口実に、国民に『口輪』をはめて、大人しくさせてるみたいなもんよ。アルゼンチンの自由を取り返さないと!!! 

(デモに参加出来なくても、ちゃんと私に抗議の演説をしてくたミロンゲーラJ 。九十ウン歳というのに愛国心溢れる凄いパワー。)

2020年7月9日のネットニュースより。
こちらの写真はオベリスコ周辺に集まった民衆のデモ活動の様子。
ブエノスアイレスだけでなく、アルゼンチンの様々な場所でデモが行われました。SNS上での呼びかけだったとか。クアレンテナ(隔離)中とは思えない騒ぎでした。

ミロンゲーラK

R : 独立記念日、おめでとう!

MLA-K : あらーリカ、久しぶりね! おめでとう!

R : 元気にしてた? 

MLA-K :
元気よー。買い物は娘が全部してくれるから全く外に出てないわ。でも家の中のことは全部自分でやってるで。掃除、洗濯、料理、後片付け、全部ね。

R : うわーそれは凄い! 今、いくつやったっけ?

MLA-K : 九十◯歳よ。

R : ひゃあー!!(なんだか、九十代が普通に見えて来た・・・)

MLA-K :
本当ならね、ご飯の後、30ブロックは歩いてたんやけど、今はそれも出来ひん。

R :
出来ひんねー。(30ブロックって、3km以上・・・そんなに歩いたら、私、息切れする・・・)

MLA-K : だから、仕方なく家の中を歩いてるねん。

R : それはいいことやん。 運動不足になるもんね。

MLA-K : 片足づつ、1.5kgの重り着けてね。

R : は???? 重り??? 両足で合計3kg ?

MLA-K : 最初は重い感じするけど、慣れてきたら全然平気やで。

R : あはは、私もやってみるわー。

(さすがミロンゲーラ、すごい脚力!! 私も見習おう!!)

ミロンゲーラL

R : 独立記念日、おめでとう! 元気?

MLA-L : おかげさんで元気よ。買い物にも週一回ぐらい出るわよ。

R : 自分で買い物行ってるの? 凄いねー。(彼女、九十ウン歳!)

MLA-L :
スーパーで、ちゃんと賞味期限もチェックせんとあかんしね。家に帰ってから賞味期限切れに気がつくと、またスーパーに返品しに戻らないとあかんやん。

R : 
大きなスーパーでも賞味期限切れ売ってるんや!!まだ期限切れに当たったことが無いから知らなかったわ。中国人スーパーでは気を付けてるけど。

MLA-L :
賞味期限なんて、文字をアルコールで拭いたら綺麗に消えるんよ、やってみい!!変えようと思ったら、いくらでも変えられるで。だから、しっかり確認せなあかんで!!

R : ・・・(あの細かい文字の賞味期限がちゃんと見えるってこと?・・・)

MLA-L : 縫い物もしてるで〜。

R : 縫い物、ちゃんと見えるん?

MLA-L : よっぽど細かいモノやなかったら、メガネなんてかけへんで。

R : え? メガネかけへんの? 私、もう、メガネ無いと見えへんのに。

MLA-L : 最近ではマスク30枚縫って、家族やらご近所に配ったわ。

(九十越えで、老眼鏡なしで縫い物出来るって・・)

* あとがき *

たまたまですが、今日話したミロンゲーラス3人とも九十歳を超えていました。合計したら270歳以上!!
3人とも、頭はキレキレ、記憶力抜群、お喋り上手。やっぱり、タダモノでは無い、スーパークールなミロンゲーラ達。クアレンテナで燻ってる場合では無いなと、元気を頂いた、9 de Julio (ヌエべ・デ・フリオ)の日のお喋りでした。

* おまけ *

タンゴの曲にも『 9 de Julio 』がありますね。
作曲はJose Luis Padula 。良くミロンガなどで耳にするのは歌が入っていないインストバージョンですが、歌入りの録音も。作詞はLito Bayardo。
録音の古い順からご紹介します。

♪ Agustn Magaldi – Orq. Rivardo Brignolo (1931)

https://www.youtube.com/watch?v=_AOEOEbP81Y

AGUSTIN MAGALDI (アグスティン・マガルディ)が歌っています。
音質が録音の古さを感じさせます。彼は1936-1937年頃、女性の権利を尊重するための活動をしていたようです。センチメンタルな甘い声で歌いつつ、一方では政治家と戦っていたのですねー。

♪ Juan D’Arienzo (1935)

♪ Alfredo De Angelis (1953)

♪ Horaci Salgn (1953)

♪ Osvaldo Pugliese (1954)

9 de Julio どのバージョンが気に入りましたか?
私はプグリエーセ・バージョンが好き〜❤︎

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