Aroma de Buenos Airesのディレクションを担当しているAKANEです。
「はじめまして。」の方も多いのかな?多いと嬉しいです。

自分の想いを書くのはあまり得意ではないので、うまく伝わるといいなと思いながら私が見つけた「いちばん好きなもの。」を通して自己紹介をしたいと思います。

私は、2016年からタンゴダンスの勉強、留学でブエノスアイレスに来ました。
当初、1年間の留学予定をいろんな意味で不完全燃焼がいっぱいで、1年の終わりを迎える前に、3年に延長しました。
延長と言っても学校に行っているわけではないので、ただ留学保険の期間を伸ばしたというだけですけど。

1年目はスペイン語も英語も話せない中で、自分なりに精一杯頑張ったつもりだったけれど、語学も宇宙語のままで、一緒に踊るパートナーもおらず、何よりも8月のタンゴ世界選手権に出場できなかったことが悔しくて悔しくて「このままじゃ帰れない。」と号泣しながら

延長!!!

2年目の2017年はコンペティションに積極的に参加したけれど、だんだんコンペティションに入賞することだけに囚われていく自分と自分のタンゴ、踊ることがすべて嫌になってしまった。

コンペティション向けのタンゴを踊りたかったの私?
私は何でタンゴを踊っているんだっけ?
私の好きなものって何?


当時、
彼氏にはフラられるし、
タンゴは上手くいかないし、
何一つ思い通りになんていかない。
こんな地球の反対側で、私には何もなくて誰もいない。
と、寂しさに震えながら本気で負けそうになっていました。

ホームシックだったのかな。でも帰りたいというより、ただただ、寂しかったです。

唯一、世界選手権に出たいという(熱意というより)執着はすごくあって、
どうしても
どうしても
どーーーーーーしても出たくて(笑)

ほとんど練習もできないまま、全然乗り気ではなかった友人をパートナーに、何とかかんとか拙いスペイン語で説得して、2017年の世界選手権に出場。
今思えば、相手の気持ちを無視して、自分の気持ちの行き場だけを考えた自己中心的な私だったけど、それでもあの時の私にとっては、出場して絶対に良かったハズ。

それから自分の中にあった「どうしても!」という想いと向き合いながら、ひとつずつ階段をのぼるように、自分の中で気持ちの整理ができるようになっていきました。
あれだけ切望していた背の高いダンサーのダンスパートナーが欲しいという希望(というより野望・欲望?)も世界選手権への出場も、コンペティションでの入賞も、とにかく何かを成し遂げないと日本へは帰れない、と思っていた不安も焦燥感も。

時間をかけてでも自分と向き合って得るべきものがあって、
それがその時だったんだ、と今は思います。

30代後半、結婚や出産、仕事のキャリア、実家の両親のこと、貯金とか老後とか安心とか?将来を見据えて考えるべきこと。自分がこうだ!と思い描く成功までのストーリーと、そこから乖離した自分自身への落胆とか。そういう物は、もうぜーんぶ置いておいて、

「私は一体、何がしたいのか。」


年齢だけは立派な大人の私が、どうしてこんなにも何もかも上手くいかなくて子供みたいに泣きながら、もがきながら、お金もなくて、悔しい思いをしながら、こんなところでしがみついているのか。
自分の中の嫌いな自分と戦ったり、話し合ったり、譲れないものを見つけたり、人間不信になったり、反対に温かい愛情にふれたり、心から感謝したり、たくさん成長した時間でした。
その全てが愛しい時間だったとやっと思えるようになったのは、本当に最近です。

そして、自己中心的な私の執着に黙って付き合い、ほとんど練習できないまま2017年の世界選手権に挑戦した友人のパトリシオと、2019年に結婚し同年11月に元気な息子を授かりました。本当に、すごいご縁です。

彼と一緒に踊るようになってから、方向性の違いやタンゴに求めるものの違いで喧嘩もしたけれど、私たちの場合は、タンゴは大切だけど二人で過ごす時間はもっともっと大切という結論に至りました。

二人の中でタンゴは、一緒に楽しみながらずっとずっと続けていくもの。コンぺティションや世界選手権はライフワーク、特別なイベントへの参加という位置づけです。

今は、顔馴染みのミロンゲーロスが集まるミロンガに行って、流れるタンゴを聴きながら仲間とおしゃべりを楽しみ、お互いの気に入った曲で踊るミロンガが私たちの居場所であり、私のやっと見つけた「いちばん好きなもの」。

みなさんにとっての「いちばん好きなもの」は何ですか?

現在私は、「ブエノスアイレスからタンゴの楽しさやタンゴの魅力を伝える」をコンセプトに、現地在住の日本人女性にタンゴクラスの主催、またブエノスアイレスのタンゴ情報をミロンゲーラに伝えるサイト「Vamos Tango」を運営。

海外在住日本人ロコが海外現地の情報提供や街案内を行うサポートサイト「ロコタビ」で5年間ブエノスアイレスNo.1ロコ「AKANE」として活動中です。

ブエノスアイレスの滞在で不安なことや街案内が必要な際は、ぜひお声がけください。お仕事の依頼はこちらのサイトから→私の好きなブエノスアイレス

Previous post 素晴らしき”聴くタンゴ”の世界
Next post クアレンテナを楽しむ方法
ソーシャルプロフィール