【Pugliese! Pugliese! Pugliese! – Vol.1】では、LA NACION記事に掲載された、聖プグリエーセの都市伝説のお話から、1969年よりプグリエーセ楽団で演奏していたバンドネオンの巨匠、ロドルフォ・メデロスのプグリエーセへの思いがこもったインタビューなどをご紹介しました。プグリエーセと過ごしたある午後、彼のためにピアノを弾いてくれたマエストロ・・・プグリエーセの優しさと、メデロスのマエストロへの深い敬意の念が感じられて、とても素敵でしたね。
LA NACIONの記事の続き、今回はプグリエーセの楽団で長年演奏し、自らは【コロール・タンゴ】を立ち上げた、バンドネオンの巨匠、ロベルト・アルバレス、そして新世代のタンゴオーケストラ【フェルナンデス・フィエロ】のユーリ・ベントゥリンのインタビューをご紹介したいと思います。
それぞれがマエストロ・プグリエーセに対する最高の敬意を込めてインタビューに答えています。お楽しみください!
La Nacion 記事 25 de Julio 2020
『聖プグリエーセ』音楽家達の守護神がこの世を去ってから25年
オルケスタ・ティピカ(典型的な編成のオーケストラ)
バンドネオン奏者のロベルト・アルバレスは、ドン・オズバルドの最後のオーケストラのメンバーであり、例の伝説のコンサートでも演奏している。
彼は1990年にコロールタンゴ を結成、30年以上、ステージを回り、プグリエーセのスタイルを広めている。
(以下、ロベルト・アルバレスのインタビュー)
『プグリエーセが探していた第4バンドネオンとして参加出来るかどうか試すために、チャカブコ州から出て来たんだよ。
最初に僕に尋ねたこと、それはね、トゥルーコ(トランプゲームの一つ)が出来るかどうかだったんだ。
ゲームをしたんだよ。ゲームの最中、僕が33を持っていて、彼が僕に、足りないよ!って叫んだんだ。僕はNo と言ったよ、マエストロに勝つ訳にはいかないからね。
11年間、彼のオーケストラにいたんだ、僕の知識がどれほどのものかは分からないけれど、どちらにしても彼のおかげだよ。
耳を傾けたくなる人だったね、意見が食い違っていたとしてもね。
他のみんながお金で争っている間でも、彼は金儲けに興味は無かったんだ。
彼がオーケストラに適用した協調システム –
それぞれのミュージシャンが、自分の行う活動の責任に応じたスコアを持っていたんだ。ディレクター、第1バイオリン、アレンジャーなどそれぞれがね。
それが、他のオーケストラの責任者に不快感を与えることになったかもしれないね。
それでも「ビシャ・クレスポのセミ」を崇拝すると言うのが、21世紀のグループの仕事場で流行った基準みたいなもんだったね。』
(ロベルト・アルバレス)
オーケストラ・コロールタンゴは協力的に機能している。
2000年以降に現れた、フェルナンデス・フィエロや他のオーケストラも。
オルケスタ・ティピカ・フェルナンデス・フィエロの創設者であるユーリ・ベントゥリンは、そのアーティストについて非常に興味深い見解を述べている。
(以下、ユーリのインタビュー)
『 「共産党員番号○○番、オスヴァルド・ペドロ・プグリーゼ」
彼はこんな風に警察による尋問に応じたそうだよ。
そして、その警官達は残念そうに、こう答えんだ:
「 Nooooo, マエストロ、そんな風に返事をされると、拘束しなければならなくなるではないですか!」
近年、何度も自問して来たんだ。プグリエーセの<聖人化>は、彼自身が、最悪の状況下でさえ決して隠そうとはしなかった面を、隠すためなのではないのか、ってね。:彼の揺るぎないイデオロギー的信念をね。
共産党員としてより、聖人として扱う方が都合が良いのかもしれないとね。
もしかすると、彼は彼の仲間に公平だったと言うよりも、ミュージシャン達に慈善的だった、と考える方が、我々に取って都合が良いのではないかって。
彼の音楽を聴くと、喜びと楽しみを感じるよ。
分析的にもね。
僕は、彼の、オルケスタ・ティピカ編成の協調システムを、模範的な手本として見習おうと思っているんだ。
(マエストロには)音楽と人生において常に前進するように駆り立てられるよ。
彼に対して祈ったことはないけどね。』(ユリ・ベントゥリン)
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参考)
ロベルト・アルバレスも演奏しているコロン劇場での伝説のコンサート映像、今回は名曲『 Recuerdo 』をご紹介。この曲は1924年、プグリエーセが19歳の時に公開されましたが、彼が未成年だったこともあり、当初、作曲家名がオズバルドの父親の名前になっていたりして、色々論争を呼んでいる曲でもあります。そんなお話はまた別の機会にゆっくりと。
そして、こちらはロベルト・アルバレス率いるコロール・タンゴの『Recuerdo』
そう、マエストロ・プグリエーセ・スタイルのアレンジです。彼がプグリエーセにどれほど影響を受け、スタイルを学んで来たかが本当によくわかりますね。彼は、コロール・タンゴにてプグリエーセのスタイルを演奏し続けています。
コロール・タンゴのCD『Con estilo para Bailar』に収録された『Recuerdo』。
『Con estilo para Bailar』=『踊るならこのスタイルで』 (正しく訳せているかは不明ですが(笑))そう、まさにミロンガでプグリエーセの “スタイル” を踊ってもらうために録音されたCD、と言っても良いですね。とは言え、アルバレスのスタイリッシュな味付けで、踊り手も、プグリエーセを踊る時とはまた違う “味付け” になるのでしょうか。
あとがき
突然ですが・・・
★聖プグリエーセ調査★ です!
(1) 【San Pugliese】カードをお持ちの方は、是非 Rika まで写メを送って下さい!カードのデザインも色々あるようなので、興味ありです!
マエストロのお姿と赤いカーネーションが決め手です。自家製?でもOK!!
(2) 一番好きなプグリエーセ・オーケストラ演奏のインスト曲(歌なし)を教えてください!!
選ぶの難しい?そんなんわかってます!
一番、聴きたくなる、踊りたくなる、口ずさみたくなる、演奏したくなる曲。そしてその曲を選んだ理由も教えて下さい!
ちなみに私は最近この曲がお気に入り♪
La Tupungatina (ラ・トゥプンガティナ)
録音1952年 作曲・作詞:Cristino Tapia
(歌詞があったのは今知りました!!)
以下に挿入したビデオの解説にはこんな風に書かれています。
メンドーサ州にある小さな町トゥプンガートで生まれた女性のことをトゥプンガンティーナと呼びます。ウコバレーで最も重要な都市の1つ。
この州には、アルゼンチンとチリの国境にあるアンデス山脈のトゥプンガト火山(星を見る高台)があります。南アメリカで最も標高の高い場所の1つとされています
本当に、この解説の通り、なんとも広大で雄大、それでいてキリッとエレガント、マエストロの他の曲にはあまり無い、深呼吸をしたくなるような、爽やかな雰囲気がとても好き〜❤︎
マエストロ・プグリエーセに関するLA NACIONの記事のご紹介・第二弾、いかがでしたか? マエストロの人間味溢れる魅力的な人柄を知った上で、彼の天才的にクリエイティブなタンゴを聴くと、また違った味わいになりますね。
この LA NACION記事、実はまだまだ続きます。(どこまで続くねん ?!)
Pugliese! Pugliese! Pugliese! – Vol.3 もお楽しみに。
★p★u★g★l★i★e★s★e★p★u★g★l★i★e★s★e★p★u★g★l★i★e★s★e★
LA NACIONの記事へのリンクはこちらです
https://www.lanacion.com.ar/espectaculos/musica/san-pugliese-nid2397894